425.『野分』詳細目次(2)――7章~12章 『野分』全12章全50回(つづき)第7章 中野君の愛のヴィーナス中野 VS. 婚約者 (明治39年11月 ある日)1回 ヴィーナスに嫉妬する中野君の婚約者新体詩を唄う~大勢の人の前では恥ずかしくて声が出せな…
424.『野分』詳細目次(1)――1章~6章 漱石の初期名作3部作『猫』『坊っちゃん』『草枕』の詳細目次を附した後に『道草』詳細目次に入る予定であったが、明治39年怒りの3部作『坊っちゃん』『草枕』『野分』として、最後に『野分』の目次も加えることに…
423.『草枕』詳細目次(2)――8章~13章 第8章 隠居老人の茶席に招かれる(全4回)1回 客は観海寺の大徹和尚と甥の久一老人の部屋には支那の花毯が~和尚は虎の皮の敷物~久一は鏡が池で写生しているところを和尚に見つかったことがある2回 老人の娘…
422.『草枕』詳細目次(1)――1章~7章 漱石の初期名作3部作。『猫』『坊っちゃん』に続き、同じように『草枕』にも詳細目次を附す。第1章 山路を登りながら考えた1回 店子の論理俗世間の住みにくさと芸術の効用~主人公は30歳余~大きな石を迂回して…
421.『坊っちゃん』詳細目次(2)――7章~11章 第7章 マドンナ(明治38年9月30日土曜~10月9日月曜)1回 萩野の家へ宿替え(9月30日土曜~10月6日金曜)いか銀の女房の狼狽~士族屋敷で下宿探し~うらなりの家を訪ねる~その夜から萩野の家の下宿人とな…
420.『坊っちゃん』詳細目次(1)――1章~6章 『猫』同様『坊っちゃん』も各章を勝手に(新聞連載ふうに)回数分けして、そのタイトルと内容の要約も附してみる。カレンダも論者の推定。 目的は(これまた『猫』同様)いちいちこの名作を再読しないでも、…
419.『猫』下編目次――太平の逸民全員集合 第10篇 艶書事件(1)則天去私主人・細君・御三・とん子・すん子・坊ば・俥屋の子供・車夫 人間も返事がうるさくなる位無精になるとどことなく趣きがあるが、こんな人に限って女に好かれた試しがない/主人の朝寝…
418.『猫』中編目次――猫の文明論 第6篇 夏来たる。太平の逸民再び(1)迷亭ざる蕎麦事件主人・迷亭・細君・寒月(猫が)気楽でよければ(猫に)なるがいい、そんなにこせこせしてくれと誰も頼んだわけでもなかろう/迷亭来たる/風呂場で水をかぶる/屋根…
417.『猫』上編目次――吾輩ハ猫デアル 前著『明暗に向かって』第Ⅳ部「珍野家の猫」より、(一部文言をブログ用に統一して)その第45項~第47項を引用する。 漱石の処女作『猫』(正式には『吾輩ハ猫デアル』)は(日本人には)世界でも十指に入る名作であ…
416.『虞美人草』(12)――甲野さんレオパルディを読む 『虞美人草』ではレオパルディのエセイが、(知的生活者としての漱石の分身たる)甲野さんの共感を呼ぶものとして、わりと丁寧に紹介されている。『虞美人草』考究のオマケとしてここにその概要を附す…
415.『虞美人草』(11)――『道草』に向かって ※1年ちかく期間が空いた。X(旧Twitter )の投稿に注力していたのであるが、本ブログ道草篇を投げ出すわけにはいかない。『虞美人草』を切り上げて早く『道草』本体に入らねばならない。予定では『虞美人草…
414.『虞美人草』(10)――謎のハイキング 〇郊外散歩の謎 小野と浅井は橋迄来た。来た路は青麦の中から出る。行く路は青麦のなかに入る。一筋を前後に余して、深い谷の底を鉄軌(レール)が通る。高い土手は春に籠る緑を今やと吹き返しつつ、見事なる切り岸…
413.『虞美人草』(9)――藤尾は漱石である ではなぜ漱石は朝日の新聞小説デビュウに際して、藤尾のような(殺してもいいという)女を主役に持って来たのか。女主人公が皆の前で死んでしまうような作品は、後にも先にも、『虞美人草』だけの例外だろうか。 …
412.『虞美人草』(8)――藤尾はなぜ死んだのか 最後に昔から言われる疑問、藤尾は自殺したのかそれとも病死(突然死・自然死)かという疑問について簡単に触れてみよう。『虞美人草』が発表された当時は服毒説が大勢を占めていたのではないか。本項で取り上…
411.『虞美人草』(7)――漱石の見た陰と陽 これまた前項の続きになるが、『虞美人草』の登場人物の陰陽を調べたからには、他の作品についても知りたくなる。 漱石は主人公の年齢をはっきり宣言することが多い。物語の今が特定できるような出来事も、わりと…
410.『虞美人草』(6)――世の中はすべて陰陽陰陽 前項の続きだが、漱石が宗近君の年齢を「書き間違えた」という可能性はないだろうか。二十六・歳のつもりを二十八・歳と書いてしまった。あるいは誤植されてしまった。宗近君が26歳であれば、甲野さんたち…
409.『虞美人草』(5)――金時計の秘密 『虞美人草』の藤尾を象徴する小道具として、鎖に紅い柘榴石(ガーネット)を配した金時計が挙げられる。小野さんの大事な恩賜の銀時計も霞んでしまうほど、(『虞美人草』だけでなく、)漱石の全作品の中で最も有名な小…
408.『虞美人草』(4)――『虞美人草』最大の謎 漱石の中で自作としての評価が低いままに了った通俗小説『虞美人草』であるが、最大の問題点はやはり終末のドタバタ劇であろうか。 宗近君の大活躍と小野さんの決心(変心・改心)、それによる藤尾の悲劇自体…
407.『虞美人草』(3)――連載目次第16章~第19章 第16章 決断2つ(宗近一と糸子)16ノ1回 嵐の前の静けさ 宗近老人の太平楽祥瑞の煙草盆1円80銭~仏見笑の鉢植「外面如菩薩、内心如夜叉。女は危ないものだ」~床の軸に描かれた二人静16ノ2回 宗…
406.『虞美人草』(2)――連載目次第10章~第15章 第10章 仲の好い兄妹10ノ1回 藤尾母と宗近父 大人の会話謎の女は宗近家へ乗り込んで来る~人間の誠は下げる頭の時間と正比例するか反比例するか~謎の女はマクベスの妖婆か~宗近和尚は講釈好き~…
405.『虞美人草』(1)――連載目次第1章~第9章 『三四郎』が(鷗外の)『青年』を生んだとすれば、長谷川如是閑の『額の男』を生んだものは『虞美人草』であろう。如是閑は朝日に入社したとき、漱石作品は『虞美人草』しか読んでいなかったという。前項で…
404.『道草』番外編(10)――長谷川如是閑『額の男』 さて話を如是閑に戻して、漱石と如是閑の「君子の交わり」の中で、唯一とも言える文芸的接点が、『額の男』という如是閑の一風変わった小説であるが、その考察で如是閑の項を終わろうと思う。その前に両…
403.『道草』番外編(9)――さらなる番外(1ダースなら安くなる) 〇漱石の14大作品もしくは12大作品 先に述べてきたように、漱石は小説も講演もその他の作品群(短篇小説や随筆集)も、すべてその数は14でなければ12に収まっている。《小説》1.『…
402.『道草』番外編(8)――しゃべる漱石(全講演録)(承前) (前項より続き) タイトル行末尾括弧書きの「評論」「別冊」の区別は、収録されている岩波の平成版漱石全集・定本漱石全集の巻名を示す。「評論」は第16巻、「別冊」は第25巻のことである…
401.『道草』番外編(7)――しゃべる漱石(全講演録) せっかく漱石の講演を14挙げたからには、それらについて簡単なメモを追記したい。タイトル行末尾括弧書きの「評論」「別冊」の区別は、収録されている岩波の平成版漱石全集・定本漱石全集の巻名を示す…
400.『道草』番外編(6)――長谷川如是閑『始めて聞いた漱石の講演』 漱石の事績に関して、如是閑はもう1つ回想文を書いている。 随分後年になるが昭和12年、決定版と称する4次漱石全集の月報に、『始めて聞いた漱石の講演』というのが出た。頁をざっと…
399.『道草』番外編(5)――長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(3) (前項より続き)長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(つづき)Ⅷ 江戸っ子の所作 話は外れたが、夏目君とそうして相対しているうち、私はふと君の顔の表情や身体のこなしに、強く現れ…
398.『道草』番外編(4)――長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(2) (前項より続き)長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(つづき)Ⅴ 明石の講演旅行(2年後のイベントを挿入) 其年だったか翌年だったか君は明石に講演に来た時も、海岸の料理屋で、平…
397.『道草』番外編(3)――長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』 田岡嶺雲と共にもう1人、少し年下だが漱石の同時代人として長谷川如是閑を取り上げたい。 長谷川如是閑は明治大正、そして昭和の戦前戦後に亘って、「ジャーナリスト」であり続けた珍しい人…
396.『道草』番外編(2)――田岡嶺雲 論者は先の項(本ブログ道草篇3~5)で漱石の年表を作成したが、その中に田岡嶺雲の名を何箇所か書き込んだ。漱石が『猫』で世に出てすぐに、田岡嶺雲が『作家ならざる二小説家』という短文を書いた事実を、ことさらに…