明石吟平の漱石ブログ

漱石文学がなぜ読まれ続けるのか。その謎解きに挑む。

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

漱石「最後の挨拶」道草篇 20

394.『道草』先行作品(9)――『硝子戸の中』 ・第4集『硝子戸の中』 大正4年1月~2月 前作『思い出す事など』から丸4年。作物のなかった「死の明治44年」から4年経過した大正4年、漱石4冊目の随想集はまた、最後の随想集ともなった。毎年繰り返す…

漱石「最後の挨拶」道草篇 19

393.『道草』先行作品(8)――修善寺の大患 ・第3集『思い出す事など』 (つづき)Ⅰ 大吐血はなぜ起こったか 直接の原因が漱石の胃潰瘍にあることは言うまでもない。問題はなぜそれが暴発に至ったかである。①塩原昌之助 前述したように明治41年12月の伸…