明石吟平の漱石ブログ

漱石文学がなぜ読まれ続けるのか。その謎解きに挑む。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

漱石「最後の挨拶」野分篇 4

339.『野分』式場益平からの手紙(3)――漱石は誰の手紙も保存しない さて式場益平の話に戻って、漱石の葉書を再々掲する。〇書簡No.811 全文 明治40年1月[推定] はがき 駒込神明町七十三 式場益平様/本郷西片町十ロノ七 夏目金之助 野分の御批評難有…

漱石「最後の挨拶」野分篇 3

338.『野分』式場益平からの手紙(2)――115年目の本文改訂『野分』篇 「先生私はあなたの、弟子です。――越後の高田で先生をいじめて追い出した弟子の一人です。」(『野分』第12章/大正6年12月漱石全集刊行会版漱石全集第2巻――以降20世紀の漱石…

漱石「最後の挨拶」野分篇 2

337.『野分』式場益平からの手紙(1)――驚愕の高岡市と高田市 例によって漱石作品本文の引用(青色文字)は、原則として岩波書店の平成版『漱石全集』『定本漱石全集』に拠る。ただし現代仮名遣いに改めた。論者(筆者・引用者)による強調はアンダラインで…

漱石「最後の挨拶」野分篇 1

336.『野分』はじめに――小説の神様が愛読した小説 本ブログは『三四郎』『それから』『門』の初期(青春)3部作、『彼岸過迄』『行人』『心』の中期3部作のあと、『道草』に入る前に、『坊っちゃん』『草枕』と寄り道したが、本ブログ草枕篇(28)で述べ…

漱石「最後の挨拶」草枕篇 39

335. 漱石「最後の挨拶」草枕篇 ブログ総目次 ブログ総目次草枕篇1 297.『草枕』降臨する神々(1)――不惑の詩人 漱石「最後の挨拶」草枕篇 1 - 明石吟平の漱石ブログ 草枕篇2 298.『草枕』降臨する神々(2)――『一夜』との関係 漱石「最後の挨拶」草枕…

漱石「最後の挨拶」草枕篇 38

334.『草枕』全51回詳細目次(2)――第8章~第13章 第8章 隠居老人の茶席に招かれる(全4回)1回 客は観海寺の大徹和尚と甥の久一(P93-2/御茶の御馳走になる)老人の部屋には支那の花毯が~和尚は虎の皮の敷物~久一は鏡が池で写生しているところ…

漱石「最後の挨拶」草枕篇 37

333.『草枕』全51回詳細目次(1)――第1章~第7章 先にも断った通り回数分けやそのタイトルは勝手に付けたものである。回数分けのガイドとなる頁の表示は、岩波書店版『定本漱石』第3巻(2017年2月初版)に拠った。第1章 山路を登りながら考えた (全4…

漱石「最後の挨拶」草枕篇 36

332.『草枕』全51回目次――全13章 第1章 山路を登りながら考えた (全4回)1回 店子の論理2回 雲雀の詩3回 非人情の旅4回 画工の覚悟第2章 峠の茶屋で写生と句詠 (全4回)1回 高砂の媼2回 那古井の志保田3回 源さんと馬子唄4回 長良の乙女第…