明石吟平の漱石ブログ

漱石文学がなぜ読まれ続けるのか。その謎解きに挑む。

2024-01-01から1年間の記事一覧

漱石「最後の挨拶」道草篇 25

399.『道草』番外編(5)――長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(3) (前項より続き)長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(つづき)Ⅷ 江戸っ子の所作 話は外れたが、夏目君とそうして相対しているうち、私はふと君の顔の表情や身体のこなしに、強く現れ…

漱石「最後の挨拶」道草篇 24

398.『道草』番外編(4)――長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(2) (前項より続き)長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』(つづき)Ⅴ 明石の講演旅行(2年後のイベントを挿入) 其年だったか翌年だったか君は明石に講演に来た時も、海岸の料理屋で、平…

漱石「最後の挨拶」道草篇 23

397.『道草』番外編(3)――長谷川如是閑『初めて逢った漱石君』 田岡嶺雲と共にもう1人、少し年下だが漱石の同時代人として長谷川如是閑を取り上げたい。 長谷川如是閑は明治大正、そして昭和の戦前戦後に亘って、「ジャーナリスト」であり続けた珍しい人…

漱石「最後の挨拶」道草篇 22

396.『道草』番外編(2)――田岡嶺雲 論者は先の項(本ブログ道草篇3~5)で漱石の年表を作成したが、その中に田岡嶺雲の名を何箇所か書き込んだ。漱石が『猫』で世に出てすぐに、田岡嶺雲が『作家ならざる二小説家』という短文を書いた事実を、ことさらに…

漱石「最後の挨拶」道草篇 21

395.『道草』番外編(1)――『明暗』続篇 前々項(道草篇19)で『明暗』続篇を取り上げたついでに、前著(『明暗』に向かって)の中にそれについて述べた章(最終章にあたる)があるので、それを紹介したい。(本ブログの書式・流れに合わせて一部改訂増補…