2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
413.『虞美人草』(9)――藤尾は漱石である ではなぜ漱石は朝日の新聞小説デビュウに際して、藤尾のような(殺してもいいという)女を主役に持って来たのか。女主人公が皆の前で死んでしまうような作品は、後にも先にも、『虞美人草』だけの例外だろうか。 …
412.『虞美人草』(8)――藤尾はなぜ死んだのか 最後に昔から言われる疑問、藤尾は自殺したのかそれとも病死(突然死・自然死)かという疑問について簡単に触れてみよう。『虞美人草』が発表された当時は服毒説が大勢を占めていたのではないか。本項で取り上…
411.『虞美人草』(7)――漱石の見た陰と陽 これまた前項の続きになるが、『虞美人草』の登場人物の陰陽を調べたからには、他の作品についても知りたくなる。 漱石は主人公の年齢をはっきり宣言することが多い。物語の今が特定できるような出来事も、わりと…