明石吟平の漱石ブログ

漱石文学がなぜ読まれ続けるのか。その謎解きに挑む。

漱石「最後の挨拶」行人篇 42

209.『行人』目次(1)――『友達』


 登場人物の多さ(漱石作品にしては)。その登場人物の分かりにくい主張。中でも分かりにくい一郎の人生哲学。それに輪をかけて難解な三沢や二郎の恋愛観。やや込み入った構成。病気中断後に追加された『塵労』。
 謎の多い、そのぶん魅力的でもある『行人』であるが、その(不完全極まりない)考察も前項を以って終了した。
 以下例によって仮の章分けと連載回ごとの見出しを附す。

『友達』(全33回)

第1章 天下茶屋
    二郎・岡田・お兼さん

第1回 岡田は不思議そうな顔をして、いいえと答えた(7/23日)
第2回「岡田君此呉春は偽物だよ」(7/23日)
第3回「好い奥さんになったね。あれなら僕が貰やよかった」(7/23日)

第2章 この夫婦
    二郎・岡田・お兼さん

第4回「好いじゃありませんか、三沢の一人や二人来たって来なくったって」(7/23日)
第5回 お兼さんの髪は廂から大きな丸髷に変わっていた(7/24月)
第6回 三沢の葉書「一両日後れるかも知れぬ」(7/24月)

第3章 変則的な見合い
    二郎・岡田・お兼さん・佐野・(懇親会の小僧)

第7回 先方があまり乗り気になって何だか剣呑(7/24月)
第8回「御気に入ったら、貴方も大阪(こちら)へ入らっしゃいませんか」(7/25火)
第9回 お貞さんの結婚相手佐野(7/25火)

第4章 愚図愚図な3日間
    二郎・岡田・お兼さん・三沢・(佐野・岡田の下女)

第10回 二郎の手紙ですべてが決まる(7/26水~7/27木)
第11回「御酒を召上らない方は一生のお得ですね」(7/27木~7/28金)
第12回 5泊6日で岡田家滞在を引き揚げる(7/28金)

第5章 胃腸病院の3階
    二郎・三沢・三沢の看護婦・宿の下女・岡田・(医者・宿の隣客)

第13回 わがままな入院患者(7/28金)
第14回 電話の向こうの看護婦を𠮟り飛ばす(7/28金)
第15回「うん、あの連中と飲んだのが悪かった」(7/29土)
第16回 病室での共同生活(7/30日~7/31月)
第17回 岡田からの3度目の電話に三沢も「又例の男かい」(8/1火)

第6章 あの女
    二郎・三沢・あの女・付添の年増・三沢の看護婦・あの女の看護婦・(病院の看護婦・入院患者たち)

第18回 待合室に続く廊下で始めて「あの女」を見る(8/3木)
第19回 二郎の見染めた女は三沢の知り合いか(8/3木)
第20回 三沢の打ち明け話(8/4金)
第21回 三沢の打ち明け話(つづき)(8/4金)
第22回 あの女は入院時三沢に見られていた(8/5土~8/7日)
第23回 あの女の素性(8/5土~8/7日)
第24回 あの女の素性(つづき)(8/5土~8/7日)
第25回 様々な入院患者(8/5土~8/7日)

第7章 潮時
    二郎・三沢・あの女・あの女の看護婦・三沢の看護婦・岡田・お兼さん・(出帰りの娘さん)

第26回 占いゲーム(8/5土~8/7日)
第27回 三沢と二郎の「友情」(8/8月)
第28回 三沢退院の決意(8/8月)
第29回 お兼さんから金を受け取る(8/8月)
第30回 三沢とあの女の別離の会見(8/8月)
第31回 退院(8/8月)
第32回 出帰りの娘さん(8/8月)
第33回「あの女の顔がね、実は其娘さんの顔に好く似て居るんだよ」(8/8月)