明石吟平の漱石ブログ

漱石文学がなぜ読まれ続けるのか。その謎解きに挑む。

『明暗』に向かって 目次 4

53.『明暗』に向かって 目次(4)


漱石「最後の挨拶」番外篇]

(前項よりつづく)

Ⅳ 珍野家の猫

45.『猫』第1冊目次
吾輩は猫である/太平の逸民/金田事件/鈴木藤十郎君(金田事件Ⅱ)/泥棒事件と多々良三平

46.『猫』第2冊目次
夏来たる・太平の逸民再び(迷亭の笊蕎麦事件)/猫の文明論/落雲館事件/省察(手鏡事件~迷亭伯父)

47.『猫』第3冊目次
艶書事件(則天去私~雪江さん)/太平の逸民全員集合(寒月のヴァイオリン事件~文明の果ての自殺クラブ)

48.「薬な事」とは何ぞ
漢字は本来当て字である/「薬な事」は現代文では判らない/「楽を薬と書間違えた」1パーミルの可能性

49.処女作にすべてがあるというけれど
処女作が二つ半ある漱石/処女作の書出しの一行にその作家のすべてがあるという真面目な論考

50.名前のない猫
漱石のファンサーヴィス一人称小説の吾輩・俺・余・自分そして私/主人公にも名前がない

51.名前のない猫(承前)―― 私のふるさと
「私」への道/『心』学生の私の郷里は長野か金沢か/『道草』の書出し「遠い所」と熊本

52.汝姦淫する勿れ
漱石作品ヒロインの姦淫一覧表/姦淫者でない男はこの世にいない/お延は姦淫しない

53.ぼくの叔父さん
財産横領事件の起源/消えた土地と実印/叔父さんになると本当に大変/安さん

54.「向こう」の謎
江戸の人漱石は何でもかんでも「向こう」と書く/戯曲を書かなかった漱石幽体離脱「油蝉」の妙技

55.「こっち」の謎
「こっち」で判った真の主人公/せっかちなので「こっち」と「さっき」/白鳥と獅子漱石

56.火曜日お延はなぜ急に元気を回復したのか
漱石作品で始めて手紙を書く若い女お延/チャプリン小林/すべてが正邪に収斂する/愛と死までもが

57.先生さよなら
自己を愛すればこそ死もまた愉し/三四郎汽車の女同衾事件/枕が変わると寝られない/三四郎の先生

58.先生さよなら(承前)―― 先生はなぜ死んだのか
『心』は日本で一番売れた小説だが先生の死に納得する読者は十人もいない/先生の死刑その驚愕の判決理由

59.お秀はいつ知ったか
自画自賛三部作と津田の密会/お秀の赤面の意味/『明暗』の二段ロケット/推理小説に非ず

60.お延も津田も小説の結末は知らない
「吉川夫人VS.お延」書かれなかった最後の闘い/お延は夫人に嫉妬したのか/『明暗』構成の破綻

61.『明暗』の結末に向かって
津田の巻の完結と清子の微笑の意味/お延の巻の不確かな概容/津田が再登場するかも知れないエピローグ

(この項 畢)