52.『明暗』に向かって 目次(3)
[漱石「最後の挨拶」番外篇]
(前項よりつづく)
Ⅲ 棗色の研究
31.お延「見上げる女」
お延の初登場と二つの嘘/美禰子の初登場と年上の女/フラウ門に倚って待つ
32.お延「見上げる女」(承前)――『文鳥』と『永日小品』
『文鳥』の異常な記述/『永日小品』の異常な記述/滑稽知人描写三態
33.『明暗』の変
妻の観劇を許可する方法/生れて始めて津田の逆上/岡本邸の新築とは/岡本の糖尿病とは
34.『三四郎』会話行方不明事件
野々宮と美禰子の空中飛行器事件/逆転した男女のセリフ/美禰子の生意気の起源
35.『三四郎』会話行方不明事件(承前)―― 描き残されたカンヴァス
空中飛行器事件の余波/三四郎よし子の初会シーン(ドアノブ事件)/三四郎のランデヴー
36.『行人』芳江急成長の謎
「帰ってから」における芳江の変貌/芳江の金銭感覚はプラス40歳
37.漱石作品最大の誤植
鏡子『思い出』と雛子の死/「雨の降る日」と宵子の死/上等の竃の鍵事件
38.漱石作品最大の謎 ―― 須永の母はなぜ市蔵を一人で帰したか
市蔵出生の秘密と作の関係/津田の湯治と留守番/漱石の湯治と付添看護婦/はずみと間違い
39.保護者付きのヒロイン
未婚の女には父母という所有者が付いている/人妻には何が付くか/果物籠とサンドウィッチ
40.笑う女
主人公男女が会うと必ず下女が笑う/しかし笑わないと読み替えてもその場の雰囲気は変わらない
41.女景清「ごめんよ」事件
『明暗』の魁となった作品/坊っちゃんは漱石と同じ30歳で結婚した/嘘を吐いたのは誰か
42.三沢の不思議な恋
若い女がいっぱい『虞美人草』『三四郎』『行人』『明暗』/一郎二郎三沢の不可解トリオ
43.水島寒月の不思議な恋
三沢の上を行く不可解さ寒月の物語/金田富子と多々良三平結婚の秘密
44.『明暗』と『猫』の不思議な関係
『明暗』の出演者でそのまま『猫』が撮れる/漱石のカメオ出演もある『猫』と『明暗』
(この項つづく)