明石吟平の漱石ブログ

漱石文学がなぜ読まれ続けるのか。その謎解きに挑む。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

漱石「最後の挨拶」坊っちゃん篇 4

260.『坊っちゃん』日本で一番有名な小説(4)――東西南北の謎 「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりして居る。」 では冒頭のくだりから、その書出しの1行の内容が具体的に語られている所を見てみよう。持ち前の肝癪(癇癪)や乱暴・そそっかしさのため…

漱石「最後の挨拶」坊っちゃん篇 3

259.『坊っちゃん』日本で一番有名な小説(3)――書出しの1行にすべてがある 『坊っちゃん』の有名な書出し、「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりして居る。」については前著(『明暗』に向かって)でも少し述べたことがあるが、改めて次の2項目にまと…

漱石「最後の挨拶」坊っちゃん篇 2

258.『坊っちゃん』日本で一番有名な小説(2)――何の用だろう 2007年10月集英社から『直筆で読む「坊っちゃん」』という漱石の直筆原稿の写真版が出版されて、一般の愛読者にとっての『坊っちゃん』に関する本文の問題は一応終結した。しかし過去に上梓され…

漱石「最後の挨拶」坊っちゃん篇 1

257.『坊っちゃん』日本で一番有名な小説(1)――ライヴァルは『心』と『破戒』 2020年7月にスタートした本ブログも、早や3年目に入った。対象も『三四郎』『それから』『門』の初期三部作、『彼岸過迄』『行人』『心』の中期三部作を了え、順番としては次…

漱石「最後の挨拶」心篇 43

256.『心』 ブログ総目次 ブログ総目次 心篇1 214.『心』消印の秘密――起筆日は大正3年4月15日漱石「最後の挨拶」心篇 1 - 明石吟平の漱石ブログ 心篇2 215.『心』消印の秘密(承前)――短篇がいつのまにか長篇へ漱石「最後の挨拶」心篇 2 - 明石吟平…

漱石「最後の挨拶」心篇 42

255.『心』目次(2)――『先生と遺書』 『先生と遺書』 (全56回)第1章 はじめに(大正元年9月)/両親の死(明治26年)(38歳/19歳) 0回 貴方にやっと私の過去を話す時が来た~口で話す代りに手紙で話すことにした1回 貴方からの手紙への返…

漱石「最後の挨拶」心篇 41

254.『心』目次(1)――『先生と私』・『両親と私』 小説『心』の物語の始まり(鎌倉の海)を、明治42年、私24歳、大学1年次を終了して2年次に進む前の夏休みとする。『心』は3年間の物語である。 『先生と私』 (全36回)第1章 鎌倉の海 (明治4…